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熊本県議会における:無所属改革クラブ:早田議員の『一般質問』

 前回の質問で市町村合併の検証について質問しました。市町村合併については、1年かけて検証をし、中間取りまとめが昨年10月に発表されました。今年2月には、熊本県市町村合併に関する有識者会議が終了し、市町村合併の検証に係る最終報告書(案)が示されました。
 過去の調査では、平成6年度から第1次調査、平成10年度から第2次調査が実施されており、これから市町村合併を推進することを前提として、全国の動向や関係者の意識を把握することを通じて、県内の市町村合併を推進するうえで想定される課題を抽出し、その対策を提言することに着眼をおき調査がなされました。
 また今回の検証は、これまでとは異なり、合併10年を経過した時点において、その実績に基づいて評価・検証を行う事後検証となっています。有識者会議に示された報告書(案)を受けて、市町村合併に対する現時点での知事の率直な感想をお尋ねいたします。

 今回の検証の大きな目的は、市町村合併の前後比較、また非合併市町村との対比などを通じて、合併によってもたらされた効果、変化、課題を明らかにすることと、今後の市町村や県の政策展開に役立てることができることを目的とされています。本県の人口は、186万6千人をピークに減少し、現在179万5千人でありますが、市町村によっては、人口が増えている自治体と、減少している自治体があり、合併市町村と非合併市町村をそのまま比較することは難しい面もあるかと思います。
 今回の調査では、市町村合併の前後比較と非合併市町村との対比を明らかにするとなっていますが、その結果どのような状況が明らかになったのか、1点目として総務部長にお尋ねいたします。

 合併の検証については、これまでの政策やこれからの政策にかかっていくところが大きいので、難しい面があったと思います。前回の質問で、「例えば、合併による行政組織の効率性については、ある程度効果が予測できると考えられます。一方、合併により住民と行政との距離が遠くなったり、自治体の広域化により、きめ細やかな地域住民への対応はできなくなり、地域のコミュニティーが衰退し、住民の地域に対する愛着が失われてしまうという面も懸念されているところです。そうならないように、住民自治という視点で評価をしていかなければならないのではないでしょうか。合併して住民自治が充実していないのであれば、行政の都合だけの合併であり、今後は、地域コミュニティーや住民自治の現状がどうなっているのかを多角的に分析し、そこに行政としてどのような力を入れていけば合併の効果が出てくるのか、しっかりとした検証をしなければならないと考えています。」と質問させていただきました。
 そこで2点目として、地域のコミュニティーや住民自治の現状がどのようになり、合併の効果はあったのか総務部長にお尋ねいたします。
 最後に、報告書では、現時点での総合評価、長期的な視点での評価が示されています。合併団体では、職員の削減や専門性、効率性の向上が図られ、合併特例債や交付税の合併算定替などを活用し、庁舎、学校等の施設整備が進み、基金も増えています。今後20年30年先の長期的な視点でも、ある程度の体力は温存されるのではないかとの評価であり、課題はあるものの市町村合併は概ね評価されたとの認識であります。しかし、これから交付税の減少とともに少子高齢化により厳しい現状が待ち構えています。更に、小規模で人口が減少している非合併市町村については今後の運営が益々厳しくなるのではないかと心配しています。
 本県の市町村の行政体制について、今後、どのような方向性を持って対策を検討されているのか3点目として総務部長にお尋ねいたします。


(知事):市町村合併に対する私の評価
  • 合併は、長期的な視点で評価すべきだが、行政体制の充実、財政基盤の強化など一定の評価ができる。
  • 今後、市町村は、地方創生など様々な課題への対応が求められる。これらの課題に対応する基礎的な力の蓄積ができたという点でも合併は評価できる。
  • 一方、支所機能縮小に伴う窓口サービス低下や、職員数減少による地域の活気の低下等から、住民の評価が十分に得られていない点も明らかになった。
  • 今後とも、地方創生を追い風に市町村の主体的な取組みを支援する。

(総務部長):(1点目)合併検証により明らかになった状況について
  • 合併市町村は、マンパワーが充実し、専任組織の設置や専門職員の配置が進み、行政体制が充実。また、合併特例債などの財政支援措置を効果的に活用し、新しいまちづくりを推進。
  •  
(総務部長):(2点目)地域コミュニティや住民自治の現状について
  • 地域の人口減少を背景に、伝統的な自治組織である行政区の統合が進められ、行政区運営の担い手不足の解消に繋がったという評価もある反面、区域が広がり、きめ細かな活動が行いにくくなったという評価もある。
  • 従来の町内会や老人会など、組織の枠を超えた協議会型の自治組織の設立が進んでいる。この組織では、従来よりも多くの団体や住民の交流が行われ、新しいコミュニティづくりを推進。
  • このような新しいコミュニティの定着により、人材の確保が図られ、地域の一体感も高まれば、一層合併効果を実感していただけると思う。
(総務部長):(3点目)今後の市町村の行政体制の方向性について
  • 人口減少の中、小規模自治体では、組織体制の維持や単独での行政サービスの提供が難しくなる。
  • 検証のアンケートでも、多くの市町村が、現状のサービス提供体制の充実確保を基本とし、近隣市町村との広域連携を今後の方向性として捉えている。
  • 県では、市町村が主体となって行政サービスを提供できるよう、行政体制強化や県との人事交流による人材育成の更なる支援を行う。また、近隣市町村との広域連携が進むよう、情報提供や市町村間の連絡調整を行うなど、支援する。

 本県のがん検診受診率は、全国でも上位となっていますが、「第二次熊本県がん対策推進計画」において、平成29年度におけるがん検診受診率の目標である50%には達しておらず、目標を達成したとしても、半分以上の人が受診していないことになります。
 1981年を境に日本人の死因の第一ががんとなり、2011年には30年前の2倍以上の357,305人ががんで死亡し、これは男性では2人に1人、女性では3人に1人に相当します。このような現実がある中で、日本のがん検診受診率は低く、いくら医学が進歩してもがんが進行すれば治らないという現状があります。

 がん検診は、一般的に健康増進法に基づく市町村の事業として実施されています。がん検診の受診率向上の一環として、平成21年度から、5歳刻みの特定年齢の女性を対象に子宮頸がん、乳がんの無料クーポン券と検診手帳の配布が開始され、平成23年度からは男女とも大腸がん検診が追加されています。平成25年の国民生活基礎調査による本県のがん検診受診率は、男性の胃がん検診が最も高く、51.0%、その他のがん検診も含めて全国平均を上回ってはいますが、45%程度という低い状況にあります。対策型検診として行うがん検診で、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんは40歳以上、子宮頸がんは20歳以上となっていますが、受診率は低い状況であります。
 そこで、1点目として、県ではがん検診受診率の現状をどのように認識しているのかお尋ねいたします。
 がんの検診には、住民検診に代表される対策型検診と、人間ドックなどの任意型検診に分けられます。対策型検診には、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんとあり、胃がん、肺がん、大腸がんは毎年の検診、子宮頸がんと乳がんは2年に1回となっています。何人かの医師にお伺いすると子宮頸がんと乳がんも毎年検診するべきだと話されます。しかし、子宮頸がんでは、国において、細胞診とHPV検査をして、両方とも陰性であれば、3年に1回の検診を検討されていると聞いていますが、若いとがんの進行が早く安心はできないとのことでした。また、以前の検診は毎年行われていたのが2年に1回になり、今度は3年に1回の議論がされており、検診受診率の高い欧米先進国の基準が日本に適応されているのではないかと危惧されています。子宮頸がんの検診については、本県では46.0%、全国平均で42.1%と低く、熊本県の市町村では、検診の自己負担額を安くしたりしていますが、全体としての受診率は低い状況です。
子宮頸がん検診の受診率を上げるために、受診しやすい体制の整備も必要になってきます。数人の女性に話を聞くと、「まだ若いから大丈夫」あるいは、「検診用のカーテンがしてあるけど、男性の先生だと気になる」など、さまざまな要因があるのではないかと感じました。内閣府のがん対策世論調査では、検診を受けなかった理由として、「忙しい」が最も高く48%に上っています。受診率を上げるために、本県では啓発運動をされており、地道ではありますが、検診率は上がってきています。今後、がんに対する正しい知識を一人でも多くの方に伝えることが受診率UPにつながりと考えます。そこで、2点目に、若い世代への子宮頸がんの受診率を上げるために、本県としてのこれまでの取り組みと今後の取組についてお尋ねいたします。

 次に、がん検診における診断の正確さの向上についてお尋ねします。 がん検診の受診率を上げても、正確に検診しなければがんは発見できません。がんの種類によっては、早期発見が難しいものがあるようで、検診を定期的に受けていても、発見された時には手遅れだったという事が実際にあります。現在の検診機関で発見されるがんは、0.05%から0.25%。疑いがある場合は精密検査をされると思いますが、精密検査を受けておられない方が約16%から28%。検診でがんが発見されて、5年以内で亡くなる方が、肺がんでは約54%、その他のがんは、約6%から12%です。
 厚生労働省が平成20年3月に「今後の我が国におけるがん検診事業評価のあり方について」報告書をだしており、その中に、「がん検診事業評価における都道府県の役割」が示されています。
 本県において、1つ目に、協議会を設置し、検診の実施方法や精度管理のあり方等について専門的な見地から検討を行うとなっている。また、検討結果については、市町村、検診実施機関、関係団体等に対して説明会や個別指導等を通じて積極的に周知を図り、それぞれの事業改善を求める。2つ目に、がん検診受診率、要精検率、精検受診率、陽性反応適中度及びがん発見率等の指標を把握し、市町村及び各検診実施機関の事業評価を行う。3つ目に、住民が自ら受けるがん検診の質を判断できるように、協議会での検討結果を、ホームページに掲載する等の方法により積極的に公表する。となっていますが、がん検診事業評価における都道府県の役割が正しく実施されているのかがお尋ねの3点目です。

 最後に、医師等の資質の向上についてお尋ねします。
検診の精度管理の面から、がん検診に従事する者の資質向上を図るために、県医師会による「がん検診事業認定登録制度」がありますが、医師等の資質の向上を更に図るために、本県としてどのような取組をされているのか以上4点について健康福祉部長にお尋ねします。


(健康福祉部長):

まず、1点目のがん検診受診率の現状認識についてですが、本県では、受診率の目標を平成29年度までに50%とすることとしており、これまでの受診率向上の取組みの結果、既に約45%にまで上昇しています。しかし、県としては、受診率50%の目標は一つの通過点と考えており、まずは一日も早い目標達成に努めるとともに、目標達成後も、より一層の受診率向上に向けた取組みを続けていきたいと考えております。

次に、2点目の若い世代への子宮頸(けい)がん検診の受診率向上に向けた取組みについてです。子宮頸がん検診は、妊娠や出産を控えた若い世代への啓発が特に重要であることから、県では、大学等の授業を活用してがん予防講演会を実施するとともに、高校生を対象とした、思春期保健教育の講演会の多くで子宮頸がんを取り上げています。本年度は、県内の4つの大学と専門学校で講演会を実施したほか、18の高校において思春期保健教育を行いました。 引き続き、教育委員会等と連携しながら、講演会を実施するとともに、若い世代の方々の意見も聞きながら、効果的な取組みについて検討して参ります。

次に、3点目のがん検診事業評価における県の役割についてですが、県では、がん検診機関等で構成する「生活習慣病検診等管理指導部会」を設置し、検診の実施方法や精度管理のあり方等について検討しています。昨年度には、この部会の委員に検診対象となる5つのがん全ての専門医も加え、精度管理の向上に向けて体制強化を図りました。また、市町村や検診機関に対して、がん検診の実施内容に関する詳細な調査を実施し、検診事業の評価を行っています。結果を県のホームページで公表するとともに、市町村及び検診機関に対して技術的支援や指導を行うなど、県として検診の質の向上に努めています。

最後に、医師等の資質の向上についてですが、県医師会が主催し県も参加する「がん検診従事者・機関認定協議会」において、検診従事者講習会を開催するなど、医師等の検診技術の向上を着実に図っています。県としては、今後とも、関係機関と連携を図りながら、受診率の向上及び精度管理の充実に一層努めて参ります。


文部科学省では、がん対策基本法に基づき、がん対策推進計画策定されています。新たな課題も明らかになっていることから、見直しを行い、新たに平成24年度から平成28年度までの5年間を対象に基本計画が策定されています。
 同計画において、今後5年以内に学校での教育のあり方を含め、健康教育全体の中で「がん教育」をどのようにすべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とすることなどが示されており、がんに関する教育の必要性が指摘されています。本事業は、同計画の実施に向け、学校教育全体の中で、「がん教育」を推進することにより、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい知識及び命の大切さに対する理解を深めることを目的として実施する。」となっています。モデル事業として、すでに、全国21か所の都道府県・指定都市において、学校における「がん教育」の取り組みが推進され、九州では、福岡県、佐賀県、鹿児島県、福岡市で実施されています。
 がん対策の課題として、「様々な形で患者を含めた国民に対するがんの普及啓発が行われているが、がんに対する正しい理解が必ずしも進んでいない。がん検診の受診率も低い状況である。健康については、子供の頃から教育することが重要であり、学校でも健康の保持増進と疾病の予防といった観点から、がん予防も含めた健康教育に取り組んでいる。しかし、がんそのものや、がん患者に対する理解を深める教育は不十分であるとの指摘」がされています。
 がん検診受診率を上げることや、がん予防も含めた健康教育、がん患者に対す理解を深める「がん教育」は必要であると思いますが、本県としてどのように対応されていかれるのか教育長にお尋ねいたします。


(教育長):
  • 学校におけるがん教育が大変重要であると認識している。
  • 学校におけるがん教育は、学習指導要領に基づき、小中高における保健の授業で実施されており、生活習慣病の一つとして、がんの要因や予防について学習している。
  • 県教育委員会では、関係団体等が作成したがんの正しい知識や、予防に関するリーフレット等を各学校に配付するなど啓発に努めている。
  • 今後、「がんの教育総合支援事業」モデル地域の成果等の情報収集や分析を行い、健康福祉部や医療関係者と連携を図りながら、自らの健康を適切に管理するとともに、がん予防や早期発見につながる行動変容を促すがん教育の在り方について研究を進めて参る。

熊本県の森林面積は、46万haで、県土面積の63%を占めています。また、そのうち民有林面積は40万haで、森林面積の約86%を占めています。
 日本全体でも、国土の7割を森林が占めており、戦後造成された約1,000万haの人工林が本格的な利用時期を迎えています。
 その蓄積は昭和50年代の2倍以上の約49億?で、成長を続ける森林は天然資源が乏しい日本にとって貴重な資源です。どれくらい成長しているかを分かりやすく示すと、1秒で小型トラック1台分の蓄積が増加し、8秒で家一軒分の蓄積が増加しています。
 森林は、地球温暖化の原因物質の一つである二酸化炭素を吸収固定し酸素を供給する機能や、水源のかん養や国土保全などの機能、さらには癒しの場など、様々な公益的機能をもっています。
 一方、輸入自由化による輸入材の増加や石油製品等の代替材料の普及により、木材価格が低迷し、林業を取り巻く環境は厳しくなったことから、林業者の中には、親から引き継いだ山を生業としていないため、適正に間伐が行われず、森林の公益的機能の低下が危惧される事態となっています。
 県内の林業就業者は、昭和55年には5,100人であったものが、平成17年に1,600人となり減少を続けています。現在、林業就業者の数が足りるのかということが問題となっていますが、今後は恐らく間伐から経費が少なくて済む皆伐に少しずつ移行していくのではないかと思います。そうなると、皆伐跡地の問題があちこちで起こってくると考えられます。
 再造林を進めていく上で、今の木材単価では再造林の費用は賄えないと思われますし、下がり続ける木材の価格、台風被害等で完全に失われた所有者の意欲をどう喚起していくのかという大きな問題もあります。今となっては、林業関係者の自助努力のみに委ねるには限界があります。
 私たち県民は等しく森林のもたらす恩恵を受けており、みんなの財産である森林を守り育て、健全な森林を次の世代へ引き継がなければなりません。
 本県においても、その方策の一つとして、県民に広く負担していただくため、平成17年度から「熊本県水とみどりの森づくり税」が導入され、その目的として、「県は、水源のかん養、山地災害の防止等の公益的機能を有する森林からすべての県民が恩恵を受けているとの認識にたち、森林をすべての県民の財産として守り育て、次の世代に引き継いでいくことを目的として、森林の有する公益的機能の維持増進を図る政策に要する経費に充てるため、水とみどりの森づくり税を課する。」となっています。
 これまでの2期10年間で約44億円の税を活用して、これまで、森づくりのためにいろんな事業を推進してこられています。
 鹿本管内でも、森林の保全を始め、山鹿温泉観光協会が間伐材を使用した施設を作製し設置するなど、この税を活用し、様々な取組みを行っており、今後も大いに期待しているところです。
 平成27年度から5か年計画の3期目の対策を進めるに当たり、これまでの税を活用した取組みの成果と、これまでの取組をどのように評価し、今後、森林を取り巻く情勢の変化に対応した施策を進めようとしているのか、農林水産部長にお尋ねいたします。



(農林水産部長):
  • 水とみどりの森づくり税の目的は、公益的機能を持つ森林を、県民の財産として守り育て、次の世代に引き継ぐこと。
  • これまで、毎年約4億8千万円の貴重な財源を基に、9,716haもの針広混交林化をはじめ、植栽未済地への広葉樹の植林、シカの食害防止では、3,366haでネットを設置し、被害の増加に一定の歯止めをかけることができた。
  • さらに、約4万5千人が参加した森林(もり)づくり活動や、保育園などへの木製の机・椅子の導入などにも取り組んできた。
  • このような成果を踏まえつつ、森林・林業を取り巻く情勢の変化に対応して事業内容を見直し、ハード事業に加え、ソフト面の対策を充実する。
  • 新たな取組みとしては、第一に、森林(もり)づくりとして、森林所有者に対し森林整備を呼びかける活動の支援などを進める。
  • 第二に、地域リーダーの育成や、森林(もり)と親しむ活動や木育への支援も強化していく。
  • 第三に、地域・景観づくりとして、木材を活用した地域づくりを進める。
  • 今後とも、森林の公益的機能を高め、その恩恵を多くの県民が享受し、実感できるよう、税の最大限の活用を図って参る。

 本県の中山間地域は、美しい田園風景や伝統文化の残る、魅力のある地域です。そして、中山間地域は、農林産物の生産や地域住民の生活の営みと自然の営みが共生しながら、国土保全などの多面的機能を担っています。しかし、過疎・高齢化の進行、また農林業の生産活動の停滞等から、集落機能の維持存続や公益機能の維持保全が困難となりつつあります。
 本県の基幹産業である農業が将来にわたり活力を維持していくには、時代の変化に耐えうる足腰の強い生産構造が必要です。
 農業・農村は、国土保全、水源かん養、景観形成等の多面的機能(約8兆円分)を有しており、その利益は広く国民全体が享受しています。
 特に、中山間地域は、県土面積の7割を占め、重要な地域となっていますが、平地地域と比べて、総じて自然的・経済的・社会的な諸条件が不利な地域であります。
 また、生産面で特に条件不利地域では、林業、お茶、椎茸、たけのこ、栗など、土地利用が困難地域でも農林産物が四季折々で収穫されているものの、傾斜地が多いことから、機械化が困難なことや、気象や日照条件等により栽培可能な作目や収量が制約を受けるなど、中山間地域ではこうした条件の不利性が経営規模の零細性と相まって、農業所得の確保が困難な状況にあります。
 さらに、経済的・社会的な条件面で、都市から遠いことによる就業機会の少なさ、交通アクセスの悪さ、生活環境整備の遅れ等の多様な側面があり、中山間地域においてはこうした複合的な要因の結果として、人口の減少と高齢化が大きく進展しています。
 このような要因を放置し、中山間地域の基幹産業である農業が衰退すれば、中山間地域が衰退し、集落として機能の維持が困難となるばかりか、地域全体の活力もさらに低下することが懸念されます。
 中山間地域の農業を産業として強くしていくため、小ロットでも収益性の高い、そして付加価値の高い農業を推進する必要があります。
 私の地元は中山間地域であり、小ロットながら農産物を生産されています。大規模農業であれば、コストダウンができますが、小規模であるためコストを削減することは厳しい状況です。小ロットで付加価値の高い、収益性の高い農産物を作り、四季折々の農産物を生産することで、高齢者でも仕事ができるのではないかと思っています。
 そして、高低差や標高等の立地条件等を活かして生産された多様な農産物を原材料とした加工食品の製造・販売や、都市との交流など地域資源を生かした活性化や6次産業化への取組みを進め、地域の産業を育成することが重要だと考えます。
今後、条件不利地域で付加価値の高い農産物が生産でき、産業が育成できれば、地域としての魅力が高まり、中山間地域を次の世代に引き継ぐ事ができるのではないかと考えます。
 また、中山間地域には、生産量は少ないですが、多彩で魅力ある農産物が多くあり、これらの情報を発信し大都市等のこだわりレストランに提案するなど、付加価値を生かした流通販路を開拓していくことが必要だと考えます。
 しかし、中山間地域の集落だけではこのような取組みは困難です。本県として、こうした中山間地域の付加価値を高める取組みや、多彩で多様な農産物の販路拡大をどのように進めていかれるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。



(農林水産部長):
  • 県では、これまで、生産量は少ないものの多彩で魅力ある農産物の流通ルート開拓に取り組んでいる。
  • 首都圏のレストランのシェフなど産地招へいや、大手通販会社との連携などにより、取引地域や品目も拡大している。
  • 中山間地域で生産される農産物の付加価値を高める取組みとして、ソフト面では東京農業大学名誉教授の小泉武夫氏に直接評価いただき、小泉ブランドとして認定し、商品化を図っている。
  • ハード面では、国や県などにより、加工施設等の整備を支援している。
  • このような取組みにより、開発した商品が全国展開をしている事例も出てきている。
  • 今後、中山間地域の農産物の一層の高付加価値化とともに、販路拡大により、農家所得の向上に繋げていく。

  1. 通常学級での特別支援学級と特別支援学校の必要性も含め、特別支援教育の推進に向けて、さらに充実していく必要がある。本県における特別支援教育のあり方について、教育長にお尋ねする。
  2. 今回の整備実施計画については、平成30年以降、更なる高等部希望者の増加への対応として、どのような対策を計画されているか。
  3. 知的障がい特別支援学校小中学部がない空白地域について、その整備の方向性について教育長にお尋ねします。
  4. 山鹿市の適地がなく特別支援学校小中学部の整備が進んでいない。今後、山鹿市と協議会を立ち上げ、小中学部特別支援学校整備に向け一歩踏み込んだ議論が必要と思われるがそのお考えはないか。


(教育長):
  1. ・本県における特別支援教育のあり方について、障がいのある子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うことが重要。
    ・そのため、特別支援学校や特別支援学級、また通常学級など、多様な学びの場での学習を更に充実させていくことが必要。
  2. ・急増する熊本市及びその周辺の高等部希望生徒を受け入れるための整備を、早急に実施する必要があるとの検討会からの報告。
    ・内容は熊本市東区に高等部に特化した新たな特別支援学校、熊本支援学校の現校舎改修、県南に高等支援学校の新設などの取組。
  3. ・開設した高等部分教室が地域の特別支援教育の拠点とし、役割を果たせるように取り組んで参る。
    ・山鹿市の特別支援学校小中学部の整備については、山鹿地域の障がいのある子どもたちが、身近な特別支援学校で学ぶ必要性を十分に認識している。
  4. ・これまでも山鹿市教育員会と情報交換を重ねてきた。
    ・今後は更に連携を深めるため、定期的な協議の場を設けて参る。
◆早田順一 事務所◆
〒861-0518 熊本県山鹿市宗方通105 グリーンパークビル内
TEL:0968-42-8088,FAX:0968-42-8018